原発を巡るTwitterでの論調について頭に来たので、少しだけ書かせてもらいます。



「椅子に座ることの代替案はもちろん、椅子に座らないこと」　http://bit.ly/hixD5r

こういうエッセイがまことしやかにこの震災の動乱に乗って流布されているのを、私は歯がゆい気持ちで見ている。原発が褒められたものではないというのを仮に自明のものとするにしても、あまりにも浮世離れしたこのようなエッセイがもり立てられるのが全く理解できない。

そもそも、原子力発電によるエネルギー革命によって我々が受けた恩恵はただの贅沢では無かったはずだ。それは生活環境の改善であって、それ以前から「長く 生きてこられた」わけではなく、生活の潤沢によって長くいきられるようになったのが現在なのだ。電力消費による社会発達によって個人個人が得る給金が上が り、それによって生活が充実し、病院医療を受けられる。病院医療の発達も、常に電力を必要とする理系分野のさまざまな研究が現在まで為された結果以外の何 ものでもない。
原発反対派としての原発への代替案は、原発を立てないこと、などという言葉はただの言葉遊びであった、その実なんにも実効性も実 際性も含んでいないことに、もっと気付くべきだ。ましてや震災の復興が望まれる現在において、前時代的の生活水準に立ち返り、今までの諸活動を見直そう、 などというのは、この国の多くの人間に対して遠回しに「死ね」といっているのと何ら変わりない、と私は思えてしまう。というより、恐らくこのエッセイの執 筆者はそう言っているんだ。それをTwitterなりで拡散する人々も恐らく、生活水準を落とすことが出来る恵まれた人間であり、現代の生活水準を前提と しないと命が長らえない、明日ともしれない、という存在がこの世に間違いなく存在することに何らリアリティを感じていない。

言い訳のよ うになるが、私は原発を良いものであるとは決して思っていない。しかし私は反原発を唱えることはしない。それに、実際的に「代わることができる」存在を知 らないからだ。だから私はTwitterを見て入る間、うんざりするほどリツイート引用される、一方的に原発を悪しき者として抹消しようとする人々を見て 入るとほとほとあきれ果ててしまう。結局は恵まれた人間だけがその余りある余裕を振りかざして、さも人間には贅沢など入らない、などと言って、全くそのエ ネルギー消費ヒエラルキーの下層民及びらち外の存在など歯牙にもかけていないように思えるのだ。

重ねて言うが、私はどこかの知事のように原発推進派でもない。もちろん原発が箸でつつけば破裂するような危うい者だという腐った認識もしていないが、いずれ消滅させなければならないエネルギー生産方法であるとは思っている。私は結局文系なので詳しいことはわからないけれど、きっとそうなんだと思い込んでいる。

自分の生活を見返すことで可能か不可能かを判断するのはいいかげんにしてほしい。あなたが語る未来像や理想像の多くは、自分以外の他者、特に現状を必要としている人々を度外視している。あなたたちがキョウハクめいて語る理想が、見知らぬ誰かへの死亡通告にならないように願う。




以上。

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