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痩せ枝や 花尾踏みしめ いくとせを
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18日目の愚痴


ちょっと愚痴ります。


腕を怪我してから18日が経ったけど、左肘は一向にもとに戻らない。右肘および手首の痛みは体重をかけられないだけで動きはするから治るって思うけど、左肘はこれだけ時間が経ってもまだまっすぐ伸びないし、拳は肩につかない。

俺の叔父は大学時代の怪我で肘が伸びなくなってるし、高校時代の学年主任も右肘が曲がったまま固まっているのを知ってるから、「もしかしたら」なんて考えも出てくる。毎日毎日添え木を外して、曲げたり伸ばしたりを繰り返しながら、どうして治らないんだろう、どうして元通りにならないんだろう、と思って、でも考えないようにしながらとにかくストレッチし続けてきた。

医者にはMRIを撮る、と言われた。その予定日は今日だった。でも、詳しい日時を知らせる、という前日午後までの電話は結局来なかった。大学病院は一時停電も起きて、今回の震災でけっこう混乱を来したらしい。素人の俺が何か言える立場にはとうぜん無い。

親から電話がかかってきた。先ほどの余震を心配しての事だと思う。開口一番に「医者には行った?」と聞いてきた。俺は病院が大変なのだという話と、痛みはないのだ、日常生活は送れるのだ、という話をしたのだが、母はなんの遠慮も無しに「動かなくなったらどうする。保証なんてされないだろう。危機感がなさ過ぎる」と言う。

ずっとずっと「もしかしたら」なんて考えないよう考えないよう、また高い金出して買った自転車に乗って遠出出来るのだ、今年こそは東京まで遠征に出るのだ、と思い続けてきたのに、何の遠慮もなく可能性の話をする。俺だってもう二十日近く経っても一向に回復の兆しが見えない左肘に対して焦りは覚えている。なのに親はそんなのも知らずに言ってくる。

久しぶりに電話越しに母を怒鳴った。母にも怒鳴られた。声色からして最後には泣いていた。俺だって泣きたいのに。母の気持ちも分かるが、今は母の涙を納得したくない。なんだって素人判断で医者にケチつけないといけないんだ、このクソ忙しいだろう時に。

震災直後から、怪我してるからといって家に見舞いに来てくれた人もいたし、信号の止まった街を原付で買い物に出てくれたりもした。腕が万全でないから、周りの人間がやっている地元のボランティアにも、別に病気でもなんでもないのに参加できなかった。断水時も水道水を必要分以上に備蓄したけど、よく考えたら俺は不足している人のところにそれを届ける術なんてなかった。自分の街にライフラインが戻るにつれ、同じ茨城でも沿岸、北部は比ではないほど大変なのに報道されず苦しんでると知った。でも自分はのうのうと暖かいベッドで左肘の固い添え木を抱えてぐーすか寝ている。本当に悔しかった。自分より大変な地域の人たちに対しての罪悪感ではなく、何も出来ない自分への憤りだ。本当に、本当に悔しかった。

自分が怪我をしているというのがこれだけネガティブに感じられたのはこの18日間で一番だった。もういっそこんな腕無くなってしまえばいいのにとさえ思う。本来の、いつも通りの俺なら原発の求人に間違いなく応募しているのに、どうせどんなに人手が足りてなかろうとも、けが人を使うほど現地もバカではない。こんな時に何一つとして出来ない自分が心から憎い。

そんなに思って歯を食いしばっているというのに、母はなぜ自分の不安を煽るようなことを言うのか。腕は動くようになると盲目的に信じたいのに、危機感なんて毎日毎日感じているのに、なんでそんな言葉を向けられるのか。

俺はほんとうに悔しい。ほんとうに悔しい。生きているのが恥ずかしい。

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