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痩せ枝や 花尾踏みしめ いくとせを
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四年前のこと


 俺に言わせれば、四年前は苦しみの一年生だった。一年生の筑波文学秋号、2008年の秋号に、俺は作品を寄せた。その作品の程度の低さ故に、俺はかなり悩んだ。自信作だった。はっきり言って今でも、その小説に盛り込んだテーマには自信があるし、俺は間違っているとも思っていない。でも、評価は低かった。

 思えば散々に言われたものだ。日本語がなってないだとか、私はこれを筑波文学に載せるのはイヤとか、筑波文学らしくないとか。そんな流れの中で「筑波文学とはなんなのか」議論まで巻き起こって、俺は申し訳なさよりも先に緊張で胃が縮こまる思いだった。思えば、一年生の頃は火曜日がやってくるごとに緊張と自責の念で吐きながらサークル活動に行っていた。そこまでしなくても、と思うかも知れないが、そこにしか帰属意識を持てない人間にとって、一つのサークルが占める重さがわかるだろうか。

 それで、一年生の代替わりが終わった頃から、俺は活動をサボり、夕食にだけ参加するようになった。それは二年生の秋頃まで続いた。その間、俺は作品の執筆を止めた。断筆して、もう一生小説なんて書くものかと思った。

 それから三年が経ち、俺は筑波文学に改めて「無頼夢譚拾遺」を寄稿した。“ほぼ”、満場一致で選考会を通過した。本心を言えば、ざまぁみろ、といった気分だった。ようやっと復讐を果たしたと思った。誰に対しての復讐かといえば、それは筑波文学の会という、不定形でつかみ所のない組織への復讐だった。

 復讐を果たしてから、俺は五年目の学生生活を送っている。プロレスでエッセイも書いた。今回の筑波文学秋号にはプロレスのレビューを書いた。ずっと前からやりたかった企画も行い、対談も載せた。aBreでは小説を好きに書いて、流星ハートビートに客員参加してエンタテイメント小説にも挑戦しようとしている。学生プロレスにも参加した。ビブリオバトルで学園祭の檜舞台にも登る予定でいる。

 俺は振り返れば、苦しんだ一年生であり、虚無の二年生であり、暗黒の三年、四年生であり、そして今は胸を張って学生生活を送っていると言える五年生を過ごしている。

 幸せとはなんなんだろうか。今の俺が暫定的に答えを出すとすれば、充足感であろうと思う。もっと具体的に言えば、好きなことを胸を張って好きなように出来る時間を過ごしている、という充足感だ。幸せが欲しいといえば簡単だ。でも、その大きな枠組みをもっと狭いカテゴリに置き換えて、ひとつの目標を見いだすことは難しい。でも俺は、今の俺が俺なりに幸せであるとは、おごって言えば言えると思う。


 今日はこのくらいにしておこう。


以上。

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