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痩せ枝や 花尾踏みしめ いくとせを
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ィヤンキー・ジャーナル2012/02/13


 大手出版社へのエントリーシートを送った。無謀なことだとはわかっているが、どうしても心の隅で期待してしまう自分がいる。インターネット曰く、出版社の採用は8割コネ、2割学歴らしい。コネは当然無いし、学歴もない。繰り返すようだが、無謀にもほどがある。

 先だってエントリーシートの添削を、大学の就職課にお願いしてみた。30分ほどの間に5枚のエントリーシートに目を通した白髪の男性は、一部に苦言を呈した程度で「頑張って下さい」と言った。加えるように「出版・・・、どこかに入れるといいですね」と言った。目を伏せて言った。わかってる。その男性は胸の内で目の前のドンキホーテを笑っているのだと、そんなことは痛いほどよくわかった。早々に立ち去った私の胸には深い傷が付いていた。早いものだ。次は出版社から「お祈りメール」という打撃が来るというのに、全く持って弱い。

 深沢七郎は文壇登場後の二作目「東北の神武たち」について、武田泰淳の指導を受けようと事前に原稿を読んで貰ったそうだ。武田は「出してもいいでしょう」とあっさりしたものだったらしい。実際の所、東北の神武たちの評価は著しく低い。私のようなずぶの素人が読んでもはっきりとわかる低俗小説だ。

 結局、指導なんて出来ないんだろうと思う。それはエントリーシートだろうと小説だろうと同じことで、結局その執筆者の内に秘めているものが上手く出ているかそうでないかの違いでしかなくて、文章のHow toなんて存在しないんだって思う。

 適職検査をやった。日経就職ナビのだ。一番にも二番にも、適職は「コンサルタント」と出た。笑ってしまった。タダでさえマネージャーが欲しいなんてぼやいている私が、あろうことか専門的知識を得て企業のお目付役になるだなんて、想像しただけで笑ってしまう。就活っていうのはこういう不適合がおこるからやってられない。

 ただ、もしも、たとえば相手との対話の中で、相手の内に秘めた光るモノ、何かしら光るモノを見付けて、それを相手の口から語らせることができるんだとしたら、それはきっとすばらしいことだと思う。私はそういう人間になりたかった。自分が凡夫であったとしても、自分が助力した人が一等賞を取ればそれでよかった。昔はそういう人間だったはずだ。

 私にそんなことができるんだろうか。もしそれを仕事として出来るとしたら、それは教師以外の何者でもなく、そして教師になることはさっぱりと諦めてしまったのが私なのだ。

 今更になってどうしようもなく、私は空っぽの理想主義者と成り下がりまして。



以上。

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